本種の産卵期は佐渡で4月,三崎で8月といわれる。他の日本沿岸域でも4〜8月と考えられている。東海では沖合から沿岸域へ向う4〜5月と推定される。産卵場は温州湾沿岸およびそれ以南の中国沿岸域と考えられる。

アンコウ類の卵は帯状をした寒天質の中に埋没している。この帯状物は幅数10cm長さ10mにも及ぶものがあるといわれる。帯状寒天質は浮性で海面に漂っている。卵径は1.60〜1.77mmといわれる。
全長約4.1mmのふ化直後の仔魚は,すでに背鰭棘の原基がみられる。全長約5.4mmでは,黒色素胞が頭部,消化管上および卵黄上に密に分布するほか,尾部には4群に分かれた叢がみられる。全長6.7mmの仔魚は腹鰭が著しく伸長し,尾部長の約1/3に達する。色素胞の分布は胸鰭部,腹鰭部を除き,前期とほぼ同じである

*本仔魚はアンコウ(Lophius)としてあり、種名が付記されていない。なお、アンコウ仔魚の報告は倉上(1913)に記載があるが、見る機会を得ていない。


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