背鰭は2基で棘を具えない。第2背鰭の起部は腹鰭末端と臀鰭起部のほぼ中央で,基底後端は臀鰭基底後端よりやや前位,臀鰭起部は第2背鰭基底のほぼ中央下に位置する。

  • 両顎歯は同形同大でひらたく,鋪石状に並ぶ。
  • 眼は細長く,瞬膜および口角の唇褶はよく発達する。上顎の唇褶は下顎の唇褶よりかなり長い。
  • 両鼻孔の間隔は眼径にほぼ等しい。
  • 体は薄い灰褐色で,背面は濃く腹部ほど淡くなる。また,背面および体側には小白色点が散在する。特に,側線に沿ったものは顕著である。

本属Mustelusにはよく発達した瞬膜がある。歯は扁平で,尖頭や隆起線がなく,鋪石状に並び,磨砕歯系を形成する。本邦近海の本属にはホシザメ,シロザメの2種がいる。これらの区別はシロザメの項を参照されたい。

*ホシザメ属にはこのほか,ソウポウシロザメM.kanekonisがいるとされていたが,TESHlMAandKOGA(1972)は本種をシロザメの,谷内(1969)はホシザメのシノニムと考えている。

北梅道以南の日本各地沿岸,渤海,黄海,東海,南海に分布する。以西漁場では黄海から東海にかけてみられ,主に山東半島沿岸,江蘇省北部の海州湾沖合とクチミノセから台湾北部に至る大陸棚縁辺近くで漁獲される。また,五島西沖にも漁場が形成される。本種はアプラツノザメやカスミザメなどよりやや浅い海域(一般には200m以浅)の砂泥質の海底に多い。


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