産卵期は4〜7月である。産卵は南に早く北にやや遅い(南海の北部湾は4月,福建沿岸5月,江蘇省呂四5月下旬〜6月上旬,山東,河北,遼寧5〜6月)。産卵場は砂泥質で,水深12m以内の低塩分の海域あるいは河口付近で産卵する。また,産卵場は,盛期には河口から上流15kmの地点まで達する。これらの産卵場は透明度が零に近く,水温24〜26℃で,水の流下によって干潮時には著しく低比重となる(矢部1938)。
抱卵数は体長40cm前後で,14〜17万粒である。

卵は径2.2〜2.5mmの球形で,卵殻は薄く無構造で,卵膜腔は大きい。卵黄は径1.7〜l.9mm,無色透明で泡沫構造を示し,微黄色の油球(径約0.4mm)1個がある。
ふ化直後の仔魚は全長5.1mm,卵黄はナス状で,油球はその後端に1個ある。肛門は体の後端より約1/5の所に開く。筋節数は約40+17=57。
全長6.8mmでは第10筋節下の辺の消化管がやや膨れ,そこに黒色素胞が点在。胸鰭基底直後下に,腹中線をはさんで1対の黒色素胞がある。

体長15mmの背・臀鰭,肛門の位置は成魚に比べかなり後方で,背鰭基底は第26〜31筋節上,肛門は第39筋節下にある。
全長17mmの背・臀鰭の鰭条はほぼ全部現われる。背鰭基底は第24〜30筋節上,肛門は第37筋 節下に開く。主上顎骨,上・下顎骨に円錐歯がみられる。黒色素胞は腹部腹中線の両側に縦列をなし,尾部体側筋肉腹縁にも若干現われる。
全長21.5mmの肛門は背鰭基底後端直下近く(第34筋節下)まで前進する。黒色素胞は下顎前端側面,耳胞前方などにも現れ,鰾の側面にも数個が腹壁を透してみられる。 


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