*オニカナガシラの項脚注参照 本邦近海産カナガシラ属は10種ほどが知られている。本属は第1およぴ第2背鰭の基底両側にそれぞれ1列の有棘楯状板がある。側線鱗は70枚以下で,吻の両端は幅広い三角状または細長い棘で,一般に多くの付属棘を伴っている。体色は赤いなどの特徴をもつ。種の検索はオニカナガシラL.kishinouyeiの項に,胸鰭内面の特徴についてはソコカナガシラL.abyssalisのところに示したので参照されたい。 本種は北海道南部から本州各地の沿岸,渤海,黄海および東海に分布する。以西漁場では晩秋から冬にかけて渤海,鴨緑江沖合(西朝鮮湾北部),およぴ江蘇省の海州湾から南下来遊し,35°N線を中心とする海域で3月ごろまで越冬のため滞留する。この群は33°N以南には南下しない。また,大型魚は深所で,小型魚は浅所で越冬する傾向がみられる。その後は北上移動を始め,5月海州湾や山東高角沿岸に一部を残し,3〜6月には大半が北に去る。このほか,対馬,壱岐,五島沿岸の島嶼の近海にも若干分布する。
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