• 頭部後方側面の微細な波状紋様は胸鰭起部垂直線より後方まで認められる。
  • 鰓孔は狭小で,鰓膜は峡部と幅広くゆ合しており,細くて浅い切れ込みもない。
  • 鱗は小さな円鱗で,極めてはがれ易い。
  • 体色は黒味を帯びた銀色で金属光沢がある。しかし,鱗がはがれたものでは,体背面が青灰色,腹部が白色となる。
  • 背・臀鰭のかま状部先端および尾鰭上下両葉の先端は若魚期には著しく延長するが,成長と共に短くなる。
  • 全長60cmに達する。

本種は本州中部以南,黄海,東海,南海に分布する。以西漁場では東海北部から南部に かけて分布するが,主分布域は32゜N以南で,それ以北には少ない。本種の回遊径路はよくわかっていないが冬から春にかけて台湾北方沖合から中国沿岸寄りを北上し,東海北部海域に至る群が知られている。この群は5〜6月には浙江省の舟山群島沿岸の浅海で産卵する。産卵後は分散,索餌しながら秋季に再び南下する。クチミノセ南部にも冬季から春にかけて好漁場が形成されるが,その動きは明確でない。また,カキノセ南部海域で越冬し,春〜夏にかけて江蘇省の呂四洋沖に移動する群が想定されている。この群は量的に少ないと考えられる。


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