- 体は紡錘形で,横断面は円形に近い。
- 背面は緑色で,屈曲した青黒色の波状紋がある。
- 体側正中線上に黒斑があり,体側下半部は銀白色で多数の小黒斑がある。
- 第1背鰭棘数は12本(まれに11本)。
- 第1背鰭の神経間棘数は17本以上。


マサバによく似ているが,市場など現場で区別するには次の点を調べる。
・第1背鰭棘数は11〜12本。体側正中線上と体側下半部に黒斑がある。体の横断面は円形に近い……ゴマサバS.australasicus
・第1背鰭棘数は9〜10本。体側正中線上と体側下半部に黒斑がない。体の横断面は楕円形……マサバS.japonicus
腹部の黒斑は未成魚では不明瞭で,ときには成魚でもはっきりしないことがある。厳密に区別したいときは,第1背鰭の神経間棘数(背鰭第1棘に対応したものから第2背鰭の第1条を担ったものの直前までの数)を数える。神経間棘数17本以上はゴマサバ,16本以下はマサバである。

黒潮系暖水の影響が大きい海域に分布する魚種で,マサバより比較的高温・高塩分の水域に生息する。したがって,東海や南海では沿岸水の影響が強い大陸棚上ではマサパが,黒潮の影響が強い大陸棚縁辺部ではゴマサバが漁獲される。黄海にはほとんど分布せず,漁獲されることがあってもごくまれである。
東海のゴマサバにはつぎの2系群がある。
東海系群:東海南部域から九州西海域にかけて分布するが,一部は山陰沖や薩南沖へも回遊する。
薩南沖系群:九州西岸から薩南海域に分布し,太平洋南区のゴマサバの補給源ともなっている。
いずれの系群も春〜夏には北上し,秋〜冬には越冬,産卵のために南下回遊する。
BACK(戻る)
|