@ 発症の経過:平成9年11月に西表島の藻場で漁獲したシモフリアイゴ等数種のアイゴを登野城魚類養殖場の小割生簀(5 ×5×4m)2面に収容し、飼育したところ、平成10年8月28日頃よりへい死魚が目立ち始めた。この時の放養尾数は計約 4,000尾、魚体重は100g強、水温は約31℃であった。へい死魚の外観的特徴はなく、瀕死魚は緩慢に遊泳し、時に狂奔遊 泳して死に至った。へい死が収まらず、9月7日には累積へい死率が50%を越え、この時点で原因究明の調査依頼を受け、 へい死魚の検査を実施した。 |
A へい死魚の肝臓は著しく赤変していた(図1)。細菌検査の結果、全ての魚の肝臓、腎臓、脾臓及び脳から一種類の細菌 が分離され、グラム陽性の球菌で(図2)、β溶血性連鎖球菌と推定された。 |
B この分離菌を石垣島で漁獲したシモフリアイゴとヒメアイゴの筋肉内に接種した結果、全てが死亡した(表1)。これらの死 亡魚は養殖場でのへい死魚と同様な症状を示し(図3、
4)、接種菌が再分離されたことから、分離菌が今回の大量へい死 の原因であると判断された。 |
C この分離菌はヤイトハタやハマフエフキに対して病原性が低かった(表1)。 |
D 薬剤に対する感受性試験では、塩酸オキシテトラサイクリンやアンピシリンに対し高い感受性を示した。 |