まぐろ飼育研究施設

 まぐろ飼育研究施設の狙いと概要

 近年、太平洋クロマグロについては、資源状況の悪化に伴い資源管理の強化が求められています。一方、生産量が増加してきた太平洋クロマグロの養殖では、その種苗の多くを天然ヨコワに依存しています。このため、資源管理措置を推進する一方で、天然ヨコワに依存せず人工種苗を用いる養殖形態への移行が急務となっています。また、将来、種苗放流により資源の増殖を図る上でも人工種苗の確保は重要な課題です。

 海面生簀で育成しているクロマグロ親魚を取り巻く自然環境条件は毎年大きく変動し、成熟状態や受精卵の採集成績が不安定なのが現状です。このため、親魚の飼育環境条件を制御できる陸上水槽の整備が強く望まれていました。このたび完成したまぐろ研究施設では、水温や光条件をコントロールすることで成熟や産卵の誘導を図り、計画的かつ安定的な採卵技術の開発を目指します。

 

まぐろ飼育研究施設の配置図

①親魚産卵試験棟  A 親魚水槽(直径20m×水深6m)   B 通路

②まぐろ研究棟   ③生物ろ過棟   ④機械設備棟   ⑤排水処理設備棟