平成17年度西海ブロック水産業関係試験研究推進会議
海区水産業研究部会報告書


 
会議責任者 西海区水産研究所長


1 開催日時及び場所 日時 平成17年11月11日(金) 9:30〜12:40
場所 西海区水産研究所 大会議室(長崎市)

2 出席者所属機関および人数 10機関   27名


3 結果の概要
議  題
結 果 の 概 要
1.開会
 海区水産業研究部有明海・八代海漁場環境研究科長が、開会を宣言。

2.挨拶
 所長より、主催者として、部会開催の趣旨、ブロックの水産を巡る情勢、水産総合研究センターを巡る情勢について説明。

3.座長選出
 海区水産業研究部長を座長に選出。

4.協議事項
1)試験研究の実施状況に関すること
 17年度の研究課題(増養殖関連課題を中心に)について、事前に提出された各機関からの資料をもとに、それぞれ重点としている課題や連携との関連が深い課題を紹介し、意見交換した。

2)試験研究の成果に関すること

 西海ブロックに提出された増養殖関連の以下の6つ(ア〜カ)の成果情報候補について、議論の結果、ブラッシュアップを行った後、すべてを推進会議に提案することを確認した。併せて、水産養殖関係試験研究特別部会に提案されている2課題(キ、ク)の内容紹介を行った。
ア)背鰭切除によるオニオコゼの標識(山口県水産研究センター)
イ)あかぐされ病発生予察手法の開発(福岡県水産海洋技術センター有明海研究所)
ウ)佐賀県玄海海域におけるオニオコゼの放流技術開発(佐賀県玄海水産振興センター)
エ)オニオコゼの中間育成技術開発(佐賀県玄海水産振興センター)
オ)ソウジソコミジンコAmphiascus sp.によるノリ糸状体培養カキ殻の付着珪藻除去効果(佐賀県有明水産振興センター)
カ)タイラギ衰弱貝にみられるウイルス様粒子は大量死の一因か?(水産総合研究センター西海区水産研究所)
キ)ホシガレイの稚魚20万尾の生産に成功(長崎県総合水産試験場)
ク)カンパチの種苗生産技術の開発(鹿児島県水産技術開発センター)

3)試験研究のニーズと具体的な取り組みに関すること
 @各機関からの研究ニーズの取り扱いについて

 17年度の研究ニーズについて、協議し、以下のように対応した。@水産養殖の特別部会へ受け渡すニーズ2件(イ、コ)、A西海ブロックの他の研究部会や提案県の対応に委ねるニーズ3件(ア、ウ、ソ)、B栽培漁業部の対応に委ねるニーズ1件(セ)、C魚介類研究会での情報交換等で対応するニーズ1件(キ)、D既存の体制や水産庁事業の動きに委ねるニーズ5件(エ、オ、ケ、シ、ス)等を確認し、事務局が対応状況などの情報提供に努めることとした。
ア)資源回復計画策定に伴うモニタリング調査の充実(山口県水産研究センター)
イ)アカアマダイ種苗生産時のVNN防疫対策(山口県水産研究センター)
ウ)沿岸海域の最適水質環境に関する研究(福岡県水産海洋技術センター研究部)
エ)タイラギ資源回復に関する研究(福岡県水産海洋技術センター有明海研究所)
オ)珪藻赤潮プランクトンの発生抑制に関する研究(福岡県水産海洋技術センター有明海研究所)
カ)海域環境の変化に伴う生物生息状況の変化の状況把握(佐賀県玄海水産振興センター)
キ)グミ、ガンガゼの駆除方法の確立と有効利用(佐賀県玄海水産振興センター)
ク)沿岸資源の変動機構の解明と予測手法の開発(長崎県総合水産試験場)
ケ)東シナ海トラフグ資源評価の広域連携体制の確立(長崎県総合水産試験場)
コ)種苗生産及び中間育成期におけるウイルス性疾病防除対策(長崎県総合水産試験場)
サ)地球温暖化に伴う海藻相への影響評価(基礎デ−タの構築)(長崎県総合水産試験場)
シ)二枚貝の増殖対策(熊本県水産研究センター)
ス)有明海・八代海漁場環境の長期予測およびその対策(熊本県水産研究センター)
セ)ブリ類の種苗生産における初期減耗防除(鹿児島県水産技術開発センター)
ソ)ハタ類の種苗生産における初期減耗防除(鹿児島県水産技術開発センター)
 14〜16年度に提案され、その対応が継続中のニーズについては、事務局から提案された対応方針案について協議した。その結果、対応が残された研究ニーズの多くは、今後、魚介類研究会で情報交換等を行うことで整理されるとともに、ノリの全国担当者会議が開催されるよう、ブロック推進会議を通して、水産庁に依頼することを確認した。
 昨年度研究ニーズとして提案され、トラフグ栽培グループを設置して検討してきた「最適放流手法を用いた東シナ海トラフグ資源への添加技術の確立」について、長崎県が中核機関となり、瀬戸内海ブロックの関係機関も参加し、農林水産技術会議の「高度化事業」へ応募することを確認した。
 この他、研究ニーズ関連で水産総合研究センター交付金プロ研に応募している「有明海におけるタイラギ大量死の原因解明」やグミ・ガンガゼの取り組みが紹介された。
 A魚介類研究会報告  12月1〜2日に開催予定の本研究会の議事次第など(テーマ:沿岸魚類の資源調査の現状と展望−マダイ・ヒラメ日本海西部・東シナ海系群を例に−)が紹介された。

4)その他必要と認められる事項に関すること
 有明海・八代海に関するブロック内の連携的取り組みについて、粘質状浮遊物に関する調査結果や赤潮予察高度化学習会の結果などが報告された。
 西海ブロックにおける資源回復計画への取り組みの最近の状況と問題点について説明があり、アンケート調査実施の予定が紹介された。また、海面漁業生産統計調査の見直しに係る意見交換を行い、要望を上部機関に上げることとした。


会議報告等のページへ戻る