平成16年度西海ブロック水産業関係試験研究推進会議報告書
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1 開催日時及び場所 | 日時 平成17年2 月17日(木) 13:00〜17:30 場所 西海区水産研究所 大会議室 |
2 出席者所属機関および人数 | 13機関 34名 |
3 結果の概要 |
議 題
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結 果 の 概 要 |
1.挨拶 | 所長から今年度から推進会議を水研センターが主催し、これに主体的に取り組んでいく旨の説明があった。推進会議とそれを支える4部会及びそこに設置された研究会並びに有明海・八代海特別検討会は、それぞれの役割を着実に推進していくことが大事であること、その上でブロック内の情報交換、連携強化並びに試験研究の効率的、効果的推進のために推進会議を活用していくとの挨拶があった。 水産庁増殖推進部井貫研究指導課長から独法後の水研センターの動き及び有明海・八代海に関する業務の重要性について説明があり、17年度から始まる有明海実証事業の円滑な実施にむけて各県への協力要請があった。さらに、外部資金をはじめとする研究予算の獲得並びに試験研究の高度化のため、推進会議を活用してもらいたい旨の挨拶があった。 |
2.座長選出 | 座長として、当所玉井企連室長(以下、企連室長)と山口県水産研究センターの高山所長の二人が選出された。 |
3.議事 | |
(1)報告事項 |
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1)情勢について | 所長から、科学技術等をめぐる動き、農林水産業をめぐる動き、独立行政法人を巡る動きの3つについて説明がなされた。 西海ブロック7県の試験研究機関の長から、各県における予算概要、人員の増減、研究(新規事業、目玉研究、特許取得)等に関する最近の情勢が報告された。 本部栽培漁業部長から、栽培に関する技術開発の方針と現状、16ある栽培漁業センターの主要な成果、今後の技術開発の方向性について説明された。 日水研、瀬戸内水研、養殖研から、新規研究、主要な研究成果、専門特別部会と部会の報告、新施設、主要な行事、次年度の主要な研究計画等が報告された。 |
2)西海ブロック水産業関係試験研究推進会議部会報告 |
平成16年12月14日に開催された漁業資源部会・海洋環境部会合同会議(資源・海洋合同会議)、海区水産業研究部会(海区部会)、亜熱帯水産業研究部会(亜熱帯部会)の3部会及び平成16年5月20日と8月11日の2度開催された有明海・八代海特別研究部会(有明・八代特別部会)について、各部会担当の部長・支所長からその概要が説明された。ニーズ対応等は協議事項の中で詳しく触れることとした。 |
(2)協議事項 | |
1)試験研究の体制の現状と問題点に関すること |
企連室長から、各県の試験研究機関の今後にも少なからぬ影響を及ぼす平成18年度に実施予定の水研センター見直しの概要(非公務員化、さけ・ます資源管理センターとの統合、総費用抑制、調査船の見直し等)が説明された。 企連室長から、平成17年4月に予定されている西海水研の組織改正の概要(東シナ海漁業資源部と石垣支所での各1研究室減と上席研究官2名の設置)が説明され、所長からその背景等について追加説明があった。 企連室長から、本年度の推進会議の前年度までとの相違点について説明があった。ついで、次年度の推進会議の持ち方に関する本部案、@開催時期は部会を10月、ブロック推進会議を12月としたいこと、A開催目的はこれまでの年度のまとめ的な性格から競争的な資金獲得に主眼をおいたものへと変更したいこと、が紹介された。変更案について、出席者からは特に異論は出なかった。本部から、水産試験場場長会の代表者も出席する全国推進会議が3月16日に開催予定であり、その会議で正式に決定される運びである、との発言があった。 西海ブロック推進会議の下に設置されている4部会については、今年度までは1日で行い、午前に亜熱帯部会、午後に資源・海洋合同会議と海区部会の同時並行開催としてきたが、次年度からは午後の並行開催を止め、2日にわたって亜熱帯部会、資源・海洋合同会議、海区部会を開催する案が示され、了承された。具体的な開催方法については今後担当者間で検討し決定することとした。 亜熱帯部会については、西海ブロックの他の部会や、南西諸島栽培漁業技術連絡協議会(構成機関は鹿児島県、沖縄県、水研センター、全国豊かな海づくり推進協会等、指導機関は水産庁栽培養殖課等)との重複も見られることから、部会で扱う内容や仕分け等について西海水研内で検討するとともに、2月24、25日開催予定の同協議会でも議題として取り上げることとなっており、その結果も踏まえて次年度の部会で協議することとした。 西海ブロック7県の試験研究機関の長から、各県の試験研究機関の改編の動向と問題点について報告された。多くは予算減と水産業の地盤沈下が背景にある問題であり、@研究費の減少や人員の削減を受けた事業等の重点化と効率化、A他の試験研究機関との組織統合や内部組織の見直し、調査船の減船などの組織のスリム化、B評価の強化とそれに伴う作業増、C九州知事会を受けた研究の分担、成果の相互利用、施設の共同利用等についての課題整理の実施、D地方独立行政法人化の模索等の検討がブロック内の県でなされている実態が明らかとなった。 |
2)試験研究の重要事項に関すること |
平成14、15年度の研究ニーズに対するフォローアップと今年度ニーズへの対応について、主要な内容が各部会担当の部長・支所長から説明され、内容について検討した。 資源・海洋合同会議では、@佐賀県から3カ年にわたり出されているケンサキイカの生態と資源に関するニーズについて、平成16年6月に西海水研で「ケンサキイカ資源研究集会」を開催し、生物学的特性、各県における調査・研究の実態、資源・生態の研究事例等の発表を行い、問題点の整理をした。今後は佐賀県を中心として課題を整理し、各県にWGへの参画を求めることとした。A山口県から出されているニーズ「海洋環境変動機構の解明」については、定線観測に関するアンケート調査を実施し問題点の共有化を図った。今後は平成16年度と平成17年度の海洋観測関係予算の比較を行い、予算の削減、補助金の交付金化が定線調査に及ぼす影響をとりまとめることとした。 海区部会では、@多くのニーズのうちトラフグをキーワードとし、西海ブロックの県と瀬戸内ブロックの県がともに参画するWGを次年度に立ち上げ、平成18年度の高度化事業(先端技術を活用した農林水産研究高度化事業)への応募を視野に入れて検討を進めることとした。また、A佐賀県(平成16年度)からのニーズ「グミ・ガンガゼの駆除方法の確立と有効利用」に対しては、平成17年度の高度化事業、広域ニーズ・シーズ対応型研究に応募した(応募課題名:有害生物(グミ)防除対策に関する研究)。 亜熱帯部会では、@沖縄県から出されているニーズ「ソデイカの分布と移動回遊生態」については、平成16年8月のイカ類資源研究会議において1セッションを設け、ソデイカ研究と漁業のレビュー等6課題の研究発表を行い、意見交換を行った。これらを基に今後、南西諸島海域と日本海でのソデイカ調査研究についてより密接な情報交換を行っていくこととした。A沖縄県から出されていた、熱帯性ハタ類の増養殖に関するニーズ対応として、琉球大と沖縄水試、西海水研石垣支所が共同して平成16年度の高度化事業に応募したが、不採択となった。本年度この課題を改訂し平成17年度の同事業に再応募した。 |
3)その他必要と認められる事項に関すること | 平成16年12月の各部会へブロック内試験研究機関から提出された23の素材のうち西海ブロックの成果情報の候補とすることとした20課題(水試が15課題、水研セが5課題)に関する検討・評価を行った。いずれも成果として十分な内容であり、当ブロックの成果情報として提出することが承認された。 |
(3)その他 | 最後に所長から、各県から提案された研究ニーズについて西海ブロックとして来年度1年間かけて連携して取り組み、適切に対応することとしたいので、各県の今後の協力を要請する旨挨拶があった。 |