決定! あなたが選ぶ アカジンのベストカラー
- 亜熱帯研究センター 一般公開にてスジアラの体色に関するアンケート調査を実施 -
亜熱帯研究センター 生産技術グループ
武部 孝行・篠田 理仁・山口 智史
平成26年10月25日に亜熱帯研究センターで一般公開が開催されました。当日は天候に恵まれたこともあり、合計358名のご来場をいただき大盛況でした。今年で一般公開も14回目の開催を迎えましたが、例年好評をいただいている海ガメ(タイマイ)などのタッチプールや石垣島に生息する水産生物の水槽展示の他に、ブダイに関する講演会や本年度から石垣島において保護条例が策定されたヤシガニの展示および研究紹介などが行われました。その中で、今回、熱帯・亜熱帯域に生息するハタ科魚類であるスジアラの体色に関するアンケート調査を実施いたしました。スジアラは沖縄県では“アカジン”と呼ばれ、県三大高級魚のトップに位置付けられています。また、中華圏でも高級魚として扱われ、特に体色が赤いものは取引価格が2倍近く高いため、体色の赤色がキーポイントになります(西海 No.11参照)。しかし、一口に赤色と言っても人によって好みは異なります。そのため「アカジンの体色として、どのような赤色が好まれるのか?」を調べました。
人工生産した種苗に異なる成分の餌を与えて、体色を変化させた6色(便宜上:濃赤色、赤色、薄赤色、赤紫色、茶色、黄土色)のスジアラを展示しました。アンケート調査に協力頂いた来場者には「スジアラらしい色」「沖縄の魚らしい色」「買って食べたくなる色」「高級そうに見える色」「調理(料理)が楽しくなる色」などといった様々な思いがある中で、好きな色に1票を投じてもらうようにお願いしました(写真1・2、図1)。
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その結果、325名(来場者の90%以上)からの回答が得られ、約90%の方々が赤色系の体色を選ばれました(図2)。赤色系の魚に投票された方々の意見としては「“アカジン”といったら赤色」「おめでたい感じがする」「綺麗だ」といった声がありました。また、年齢別でみますと、年齢による偏りは認められず、赤色系の魚が全ての年齢層から満遍なく支持されています(図3)。一方、赤色系以外の魚に投票された方々からは「金魚みたいで食欲がわかない」「深海魚みたい」「黒っぽい方が魚らしい」といった意見がありました。
今回のアンケート調査の結果については、我々が目指すスジアラ養殖産業創出に向けて、消費者が好む(好ましいと思う)スジアラの体色の目安として捉え、今後の研究の一助として活用していきたいと考えています。最後に、今回のアンケート調査にご協力していただいた皆様に感謝いたします。