SKED 我が国の魚類生産を支える黒潮生態系の変動機構の解明

The Study of Kuroshio Ecosystem Dynamics for Sustainable Fisheries

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研究課題

2系.黒潮域の生産力評価と変動要因

2.1 黒潮生態系における植物プランクトン群集組成と生産力
(水産総合研究センター・長谷川、北大・鈴木)

既存の観測データの解析によって植物プランクトン組成と現存量を明らかにするとともに、調査航海を実施し、黒潮域における植物プランクトン量および組成を把握するために、顕鏡およびHPLCを用いた色素組成を測定し、基礎生産量を測定する。定量PCR,フローサイトメトリー等の手法を活用することにより、生物地球化学的・生態学的機能によって分類される植物プランクトン(Phytoplankton Functional Types, PFTs)毎の分布様式を把握した上で、現場13C色素標識法や希釈培養法で各色素の合成速度を見積り, 色素/C比からPFT毎の基礎生産を明らかにする。

2.2 地球観測衛星リモートセンシングによる生産力変動過程(北大・平田、鈴木)

課題2.1.で得られるPFT毎の植物プランクトン分布様式データを活用して、地球観測衛星によるリモートセンシングデータを用いて黒潮域に特化したPFTsの算出アルゴリズムを開発する。さらに、今後打ち上げ予定の衛星に搭載される多波長光学放射計を利用し、窒素固定と炭酸カルシウムを固定する植物プランクトンといった、これまで衛星観測による定量化が不可能であったPFTsの分類と生産力の見積もりに応用する。衛星データの時空間変動解析とさらなる現場検証を行うことにより,日本近海黒潮域の低次生態系構造と生産力の評価と変動要因を把握する。